目次
よくある誘導の流れ
HSBC名をかたる投資勧誘では、最初から「詐欺サイトです」と分かる表示が出るとは限りません。SNS広告、投資グループ、著名人風の投稿、メール、電話、マッチングアプリなどから接触し、「HSBC関連の特別案件」「海外口座を使った高利回り運用」「専用FXアプリ」「限定枠」などの説明で信用させる流れが考えられます。
その後、偽サイトやスマホアプリに登録させ、画面上では利益が増えているように見せます。少額の出金に成功したように見せる、担当者が丁寧に案内する、グループ内で別人が利益報告をする、といった演出が入ることもあります。ところが、まとまった出金を申し込むと、税金、保証金、認証費用、口座凍結解除費用などを先に払うよう求められる場合があります。
SNS、メール、電話、アプリから偽の投資画面へ誘導され、入金後に出金拒否や追加費用請求へ進む流れに注意してください。
HSBC公式の注意喚起で確認したい点
HSBC日本のPDFでは、第三者がHSBCグループに属しているように装う事例として、電話、SNS、メール、スマホアプリ経由の接触を挙げています。さらに、偽メールは差出人アドレス、無料メール、一般的なあいさつ、不自然なリンク、個人情報や銀行情報の要求などに注意するよう説明しています。
HSBCグループのオンラインセキュリティ情報でも、投資詐欺では偽の推薦、偽の著名人 endorsement、偽サイト、電話、クローン会社、複製されたマーケティング資料などで本物らしく見せる手口が説明されています。つまり、問題はHSBCという名前ではなく、正規の連絡経路・正規サイト・正規の金融サービスから外れているかどうかです。
「HSBCのロゴが見える」「担当者がHSBC関係者を名乗る」「アプリ画面が本格的に見える」だけでは、正規サービスの証明になりません。
危険サイン
次のような説明が出てきたら、HSBC名を使っていても高リスクです。
税金、保証金、認証費用、個人口座送金、遠隔操作、本人確認書類の追加提出は危険サインです。
偽サイト・偽アプリを見分ける確認先
確認は、DMやメールのリンクを踏む前に行います。検索広告やSNSプロフィール内のリンクも、偽サイトへ誘導される可能性があるため、正規のHSBC公式サイトを自分で開き、公式ページに載っている連絡先・注意喚起と照合してください。
日本居住者向けの金融商品取引や暗号資産取引であれば、金融庁・財務局の登録情報も確認対象です。金融庁は、SNSやマッチングアプリ等で知り合った者、著名人を騙る者、実在する金融機関を詐称する者からの投資勧誘に注意するよう呼びかけています。正規会社名に似た表示があるだけで、相手が登録業者とは限りません。
特に、入金先が個人口座、別会社名義、海外口座、暗号資産ウォレット、ギフトカード、プリペイドカード番号になっている場合は、正規窓口かどうかを慎重に確認してください。
出金できない時に追加費用を払わない
出金申請後に「税金を払えば解除できる」「保証金を入れれば全額戻る」「認証費用が未払い」「AML審査費用が必要」などと言われても、その場で支払わないでください。追加で払えば出金できるという保証はなく、名目を変えた請求が続くおそれがあります。
警察庁のSNS型投資詐欺の説明では、SNSで投資に関するやりとりを重ねて信用させ、最終的に投資金や手数料などの名目で金銭を振り込ませる手口が示されています。国民生活センターも、SNSをきっかけとした金融商品・サービスの消費者トラブルで、「追加費用を支払わないと出金できない」と言われる相談事例に注意喚起しています。
すでに登録・入金してしまった場合
まず追加送金を止め、相手に証拠を消される前に保存してください。保存するものは、開いたURL、アプリ名、アプリ画面、ログイン画面、残高画面、出金拒否画面、チャット履歴、メール、電話番号、SNSアカウント、紹介者情報、送金先口座、暗号資産ウォレットアドレス、取引ID、送金日時、送金額です。
本人確認書類を送ってしまった場合は、何を、いつ、どのアカウントへ送ったのかも控えてください。銀行口座、クレジットカード、暗号資産取引所、メール、SNSなどのパスワードを使い回している場合は、関連サービスのパスワード変更と二段階認証の確認も必要です。
URL、チャット履歴、送金先、残高画面、出金拒否画面、本人確認書類の提出履歴は、消える前に保存してください。
相談前チェックリスト
相談先へ説明する時は、「HSBCのように見えた」だけではなく、実際の接触経路と送金経路を時系列で整理すると伝わりやすくなります。
追加送金を止め、正規会社情報と詐称勧誘の接触経路を分けて整理してから相談しましょう。
調査会社に相談する意味
調査会社は警察や弁護士の代わりに返金交渉を行う機関ではありません。また、返金や犯人特定を保証するものでもありません。
一方で、URL、アプリ、送金先、チャット履歴、本人確認書類の提出状況、出金拒否の経緯を整理することで、警察、弁護士、金融機関、カード会社などに相談するための説明資料を作りやすくなります。特に暗号資産送金が絡む場合は、ウォレットアドレスや取引IDを早めに控えることが重要です。
よくある質問
HSBC自体が詐欺なのですか?
いいえ。この記事で注意しているのは、正規のHSBCグループそのものではなく、HSBCの名称やロゴ風の表示を悪用する第三者の詐称勧誘、偽サイト、偽アプリです。
HSBCロゴが入ったアプリなら安全ですか?
安全とは限りません。HSBC日本の注意喚起でも、HSBCロゴを使ったFXアプリの例が挙げられています。ロゴではなく、正規サイト・正規連絡先・登録情報・送金先を確認してください。
出金のための税金や保証金は払うべきですか?
相手指定の口座やウォレットへ急いで支払うべきではありません。追加費用を払えば出金できるという保証はなく、請求が続くおそれがあります。
証拠として何を残せばよいですか?
URL、アプリ名、ログイン画面、残高画面、出金拒否画面、チャット履歴、メール、SNSアカウント、送金先、取引ID、送金日時、本人確認書類の提出履歴を保存してください。
まとめ
HSBCという有名金融機関名が出てきても、それだけで投資勧誘の相手を信用してはいけません。正規HSBCグループと、HSBC名をかたる第三者の偽サイト・SNS・メール・アプリ誘導は分けて考える必要があります。
出金前に税金、保証金、認証費用を求められる、個人口座や暗号資産ウォレットへ送金させられる、正規サイト以外のアプリへ誘導される、本人確認書類を急がされる場合は、追加送金を止めて証拠を保存してください。そのうえで、公的窓口、金融機関、専門家への相談につなげましょう。
参考情報
- HSBC Japan Fraudulent use of HSBC Name for Investment Solicitation
- HSBC Holdings plc Types of attack: Investment scams
- HSBC Asset Management Alert – Fraud risk
- 金融庁 SNS・マッチングアプリ等で知り合った者や著名人を騙る者からの投資勧誘等にご注意ください
- 金融庁 投資詐欺等に関する利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等
- 警察庁 SOS47 SNS型投資詐欺
- 国民生活センター SNSをきっかけとして、著名人を名乗る、つながりがあるなどと勧誘される金融商品・サービスの消費者トラブルが急増
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